お花と覇を競う存在感、花瓶の下にある布はキリムです。
中東の遊牧民の織物、日本でいうところのつづれ織りです。
キリムはテント暮らしの遊牧民の人たちの大切な財産であり、
日用品として、テントの中の敷物だけでなく、飾りだったり
衣類を入れる袋になったり、あらゆる使い方があったそうです。
こちらはテントの飾り。暖簾風に吊るしてみました!
これらは袋状になっていてかわいい!
大事なお手紙を入れるのに使われていたのかも。
下の写真ははオールドキリムを加工して、
毎日使えるクッションにしました。
日用品として使われていたものなので、
飾るだけでなく、身近に使っていただきたいです。
キリムは身近なウールで織られたものの他に
ラクダの毛を使ったもの(下写真☟)もあります。
ラクダの毛といってもあまりピンときません。
毛ってあまりないんじゃ・・・と思ったのですが、
ありました。生え変わり前のラクダの首はフサフサです。
その首の毛で編まれたのがこの茶色いキリムです。
こんな風に家畜が荷物を背負って遊牧するのですが、
そのときに使われるのがこのナマクダンと呼ばれる袋です。
岩塩専用の袋だそう。
壺のような形を不思議に思ったのですが、
家畜が塩を狙って、口を突っ込まないための工夫だそうです。
口を突っ込まれることなく、手を入れたらさっと取り出せる形。
草しか食べない草食動物にとって塩分は命綱、
塩は家畜の大きなご褒美になったのでしょう。
家畜とともに一年のうち何度も移動しながら
生活する遊牧民の暮らし・・・
私とはまったく異なる文化だけど
その歴史と文化を想像できるのは
こうやって実際に使われていたものを
手に取ったり使ったりできるから。
ぜひ一度、手に取ってご覧ください。
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